二つの小さなWebサイト
こんばんは、結城浩です。
いつものように、何ということもないお話をお聞きください。
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昨日は結城メルマガの第465回を書いていました。もうすっかり執筆曜日交換には慣れたようです。木曜日に結城メルマガを書く。金曜日にWeb連載が更新される。月曜日にWeb連載を書く。火曜日に結城メルマガが配信される。このリズムができてきましたね。
今回の結城メルマガは来週火曜日の配信になります。読み物の本数としては少なく、それぞれの読み物が長めとなりました。文章の書き手としては(私としては)今回のように個々の読み物を長くした方が書きやすいようです。
最近の結城メルマガは読者さんからの質問に答える形の読み物が多くなっています。もちろん、いただいた質問すべてに答えているわけではありません。分量的にも内容的にもそんなことは到底不可能です。
「結城浩に聞いてみよう」というコーナーを始めたのは確か2018年頃です。それから現在まで千のオーダーで回答していると思います。いまカウントしたら3920個の記録があったのですが、これは回答したものとそうでないものが混ざっている可能性があるのであやしい数字です。いただいた質問はもっとずっと多いですね。
読者さんからの質問に答える。私はその形式がしっくり来ます。しっくり来るからこそずっと継続して質問に答えているのでしょうね。
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最近のマイブームは「結城浩のPDF」という小さなWebサイトのリニューアルです。これは結城のちょっとしたPDFを公開するサイトです。いや、PDFを公開するサイトというと不正確ですね。実際、そんなにたくさんPDFが公開されているわけでもありません。
「結城浩のPDF」は公開がメインではなくてPDFを作る方がメインですね。結城がさっとPDFを作るための環境、それが「結城浩のPDF」なのです。
結城はときどき、LaTeXで書きながら考えごとをしたいなと思うことがあります。ちょっとした数学の問題を解いたり、あるいはちょっとした図形をTikZで描いたり、何かの定義を自分が書き下ろせるかを試したり。
そんなときには「さっとPDFを作りたい」と思います。ファイルをどこに作ろうかと考えたくないし、設定ファイルやMakefileを準備したくない。すぐに書き始めたい。クラウドサービスもいいけれど、編集は使い慣れたエディタを使いたい。「結城浩のPDF」はそのような要望を受け止めるサイトであり環境なのです。要望といっても、私自身の要望です。
「さあ、書こう」と思ったときにコマンドラインから pdf.hyuki.net というコマンドを入力すると「結城浩のPDF」を管理しているディレクトリに移動します。そこで make new と入力すると基本となるLaTeXドキュメントの雛形が生成され、Makefileも生成され、すぐに編集開始できます。私が自分一人で使うそういう環境が「結城浩のPDF」なのです。
作ったPDFはデフォルトではprivateな場所に置かれ、私だけが読めるようになっています。でも、make publishというコマンドを入力すれば、PDFはpublicな場所にコピーされ、Webページが自動的に生成されます。つまり、自分が「さっと作ったPDF」を「さっと公開」できるというわけです。
「結城浩のPDF」を作り始めたのは2020年5月です。しばらく遊んでいたのですが、プログラムの構成がごちゃごちゃになってしまったので放置状態になりました。最近またそれをまた引っ張り出して大きくリニューアルしているのです。
プログラムはぐちゃぐちゃでしたが、Webサイトの骨格はそれなりに作っていましたから、今回のリニューアルはゼロからの出発にはなりませんでした。そのため、比較的短時間でだいぶリニューアルが完成しました。ゼロから始めなくて済むというのはとても大きなことですね。
そういえば、いまの話は昨日書いていた結城メルマガの内容にも通じるものがあります。作業の《継続》と《再開》の関連についての文章を書いたからです。
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「結城浩に聞いてみよう」と「結城浩のPDF」という二つの小さなWebサイトのお話をしてきました。お聞きくださりありがとうございます。
今日の私は、こんなことを考えて過ごしています。
今日のあなたは、いかがお過ごしですか。
それでは、また。
どうぞ、よい週末をお過ごしください。