ほんのささやかなこと
こんばんは、結城浩です。
新刊『再発見の発想法』が発売になりました。購入なさった方やお読みになった方のツイートを見ては喜んでいます。新刊が出たときの甘美な時間。アマゾンではナレッジマネジメントやセキュリティ管理などのカテゴリで一位になりました。応援してくださる方への感謝の気持ちでいっぱいです。引き続き応援よろしくお願いします。
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ところで次の日曜日は二月の最終日ということに気がついて驚いています。このあいだ二月になったばかりなのに。それどころか2021年だって始まったばかりですよね。私なんていまだに日付を入力するときに2020じゃなかった2021と打ち直しすることさえありますよ。
「結城浩のメール日記」を書いていて「そのつど書くのは大事」とよく思います。まとまった仕事のことや、特別の出来事についてではなく、日々のこと。毎日起きるほんのささやかなこと。毎日考えるちょっとしたこと。そういうことを書きとめておくのはとても大事だと思うのです。
「結城浩のメール日記」は毎月一回「結城浩ミニ文庫」としてまとめていますが、読み返すたびに「ああ、確かにこんなことをやっていた。こんなことを考えていた。毎日同じようだけれど少し違う」と感じます。
特に私の場合は、毎日を判で押したように進めていくのが好きだし楽ですから、油断するとあっというまに毎日が同じようになってしまいます。記憶をたどっても毎日の違いがよくわからなくなります。でも折に触れて書いておいた文章を読み返すと、そこに奥行きが出てきます。毎日同じようだけどニュアンスの違いがあるのです。
その目的には、箇条書きよりもやや長めの文章の方がよさそうです。要点を無理にまとめようとせず、思いつくままにつらつらと書いてみるのです。心にうつるよしなしごとを、とまで書いてしまうと兼好法師になってしまいますが、それもまたいいかもしれません。
自由に書いてもいいのだよ、と自分に言い聞かせて好きなように言葉を綴っていく。人の心は不思議なもので、その流れに乗っているうちに書いておくべきことが何かしら浮かんでくる。要点をまとめて箇条書きにしているあいだは現れてこなかった何かが。
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今日は、そんなことを思いながらあなたにメールを書いています。
それでは、また。