第3章本文を書き上げました
こんばんは、結城浩です。
ようやく今日、執筆中の書籍『数学ガールの秘密ノート』第15作(NOTE15)の第3章本文をレビューアさんに送ることができました。
うれしい!
原稿とは不思議なもので、進まないときはまったく進まないんですが、進むときにはばたばたばたっと進むんですよね。とても不思議です。
今回の場合はひとえに「盛り込み過ぎ」ですね。今回送った第3章、最初の段階では現在の三倍くらいのボリュームを潜在的に含んでいたのだと思います。いやもしかすると六倍くらいかもしれません。
Web連載ならば、ある程度の強引なジャンプもいいのですけれど、本にするならギャップをていねいに埋めたいと思っています。なのでWeb連載時の原稿をしっかりとリライトしていると、ボリュームはどんどん膨れていき、語るべき内容がさらに増えていき……ということで、時間ばかりが経過してしまうのでしょう。
ひとえに「盛り込み過ぎ」なのです。
何週間もあれこれ書き直した末に「これじゃだめだ。思い切ってここは切り捨てよう」と決心してから、急にスピードアップしたように感じます。
「思い切ってここは切り捨てよう」という判断はつらいのですけれど、でもその判断が正しいことはすぐにわかります。なぜなら原稿執筆も推敲もどんどん進むからです。そしてまた「これはこの章に入るべき内容である」と「これはこの章に入るべき内容ではない」という判断も明確になります。
この章で読者に伝える《たったひとつのこと》は何なのか。それが明確になるのです。
では、何週間もあれこれ書き直したのは無駄な時間だったのでしょうか。決してそんなことはありません。なぜなら、その時間は、私がこの章について理解するために必要な時間だったからです。
私は、そんなふうに思っています。
明日からは、第4章に入ります。