たかがTODO、されどTODO

こんばんは、結城浩です。

初校ゲラを校正し始めたときのTODOは300個以上ありました。300個あるとめげそうになりますが、よく考えてみるとそれほど多くはありません。七月刊行の『数学ガールの物理ノート/ニュートン力学』は300ページ以上ありますから、たとえば1ページに1個検討すべき項目があれば(そしてそれを1個のTODOとカウントすれば)、それだけで300個になりますからね。

とはいうものの、それは正論であって実際にはめげそうになります。なのでどうするかというと「分割統治」ですね。分割して統治せよ。Divide and conquer.です。要するに章ごとにTODOを分けてカウントするのです。今回の本は全部で5章あり、その他のエピローグや参考文献をまとめて1章相当とすると、全部で6章相当に分割できることになります。6で割る。それだけで300個のTODOが一気に50個に減りました。

もちろん、実際に減ったわけではありません。ただ、目の前に並んだものが把握可能なレベルまで小さくなってくれただけです。しかしながら、これは心理的にとても大きいですね。「このくらいなら何とかなりそう」や「まずはここをしっかりやろう」のように前向きに考えることができるからです。

それからまた、分割すると進捗が実感しやすくなります。TODOが1個減ったときの重みが違うのです。「300個のうち1個減った」はわずか約0.3%にしかなりませんが、「50個のうち1個減った」は2%ですよ! ……やっぱりわずかですな……(論理破綻)。

そ、それはさておき。そんなふうにしてたくさんのTODOをいくつかに分割し、ふだんは「今日集中してがんばる章」のTODOのみに集中する。全体のTODOを見るのはときどきにしておく。そんなふうにして自分のモチベーションを制御しているのです。

TODOの中には重いものも軽いものもあります。すぐに解決できる誤字脱字のようなTODOはさくっと直せます。でも「これについて検討」のようなTODOはさらなるブレークダウンが必要になりますから、どうしても時間が掛かります。TODOを片付けていくとだんだんその「重いTODO」が煮詰まってくるのを感じます。軽いTODOはふわっと湯気になって蒸発していくけれど、重いTODOはいつまでも鍋の底に残り続けます。

重いからといって残しておくと、いつまでも心にこびりつきます。あるタイミングで「よし、やるか!」と思い切って取り組むなら、思ったよりも早く解決することもあります。あるいはまた、改めて調べてみたら検討する必要がなくなっている場合もあります。

たかがTODO, されどTODO.

ともあれ、なんだかんだ言いつつも、じわじわと作業は進んでいます。先日300個あったTODOも現在は残り92個まで減りました。なかなかいいですね。残るは明日の29日(土)と31日(月)の二日です。土曜日には第4章を固め、月曜日には第5章を固める予定。がんばっていきましょう!

今日の私は、そんなことを考えています。

それでは、よい週末をお過ごしください。