本棚風にPDFを並べる意味
こんばんは、結城浩です。
いまは金曜日の夜。気がつくと土曜日を迎えようとしています。
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最近のマイブームは「シェルフ(本棚)」という小さなWebサイトのリニューアルです。先月はリアル本棚のリニューアルをしていましたが、シェルフはWeb上に作った自分専用の本棚です。
結城はたくさんの紙の本をScanSnapでスキャンしてPDFにしています。いまはざっと千数百個くらいのPDFがあります。当然ながらその冊数になると全貌がよくわからなくなりますので、数年前に本棚風のインタフェースを持ったWebサイトを作りました。それがシェルフです。こんな感じのインタフェースになります。
本に限りません。結城が過去に書いてきたノートや作業ログの類もすべてPDFにして保存してあります。もちろん表紙をクリックするとPDFを表示するアプリが起動して、ノートの中身が表示されます。
ここ数日、マイブームが訪れており、シェルフをバージョンアップさせています。どんなことをやったかというと……
Bootstrap4で全面的に書き換えてメンテナンスしやすくした。
ブラウザでPDFを表示するのではなく、クリックするとPDF Expertというアプリを起動するように修正した。
「お気に入り」の印を付けた一連のPDFを別途まとめて表示するようにした。これで、たくさんのPDFの中から「最近読もうとしているもの」を集めることができる。
bookという別アプリで読んだPDFが自動的に記録されてシェルフに表示されるようにした。これで「最近開いた本」が自動的に集まるようになった。
……などなど。もっと無数にあるのですが、あまりくどくど書いても何ですからこのくらいに。
リアル本棚と違って、シェルフではプログラムを使って一瞬のうちに並び順が変更できます。書名順、新着順、お気に入り順、そしてランダムジャンプもあります。本棚のランダムな場所にジャンプするのです。ランダムジャンプでは、意外な本との出会いがあります。意外といっても、自分が管理しているPDFなんですけどね。
ともかく大事なのは「たくさんのPDFから、自分が読むもの・読みたいもの・読むべきものをいかにして目の前に配置するか」という点です。そもそも、PDFの一覧を見るだけならファイルのリストを見ればいいわけで、わざわざ本棚風のインタフェースにすることからして「目の前に置く」ことを意識しているわけですね。
実際、シェルフをいじりながら「ああ、こんなPDFがあったのか」や「そういえばこの本ぜんぜん読んでなかったぞ。意外におもしろいな」という体験がたくさんありました。
紙の本をPDFにしてコンピュータの中に格納すると、確かに場所はとらなくていいのですが、目の前から消えてしまう感覚があります。邪魔なものなら見えなくてもいいのですが、本に関しては、視界にちらちらと入ってくれた方が刺激になりますよね。
結城は、シェルフという小さなWebアプリをいじりながら、どうやったら自分自身に適切な知的刺激を与えることができるのかをあれこれ試しているのです。
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今日の私は、そんなことを考えています。
最近のあなたは、どんなことを考えていますか。あなたのマイブームは何でしょう。
それでは、また。
どうぞ、素敵な週末をお過ごしください。
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なお、シェルフについては2019年の結城メルマガVol.360に解説を書いています。