おはようございます、結城浩です。
ごぶさたしています。
前回この「結城浩のメール日記」を通じてお便りしたのは2022年の年末でした。そして今回はもうすぐお盆という時期。まるで田舎に帰省する頻度のように書かれるメール日記ですね。日記という概念が壊れているような気もします。
あなたは最近、いかがおすごしですか。
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この半年もまたいろんなことがありましたが、私としてはやはり『数学ガールの秘密ノート/数を作ろう』の刊行が大きなできごとといえます。この本は、数え間違っていなければ、私が書いた61冊目の本になります。数学ガールのいつものメンバーが空集合から始まって整数、有理数、実数などを作っていく物語です。いわゆる「数の構成」と呼ばれるテーマですね。
最近の結城は何をしているかというと、当然ながら62冊目の本を書いています。今回は久しぶりに数学ガール以外の本になる予定です。何章まで行くかわかりませんが、現在は第4章をせっせと書いているところです。8月末くらいにはほぼ形にしたいのですけれど。
そんな風に自宅で一人執筆を行っているわけですが、先週末には久しぶりに「数学ガールの特別授業」と銘打った講演会を行いました。事前に一般募集は行わない少人数の講演会です。群馬県立女子大学文学部文化情報学科さんからのお招きによるもの。事前に一般募集をせず、少人数でというのは結城からのお願い(わがまま)によるものです。講演の内容はまたメールマガジンなどで書きたいと思っていますが、率直にいって非常に楽しく盛り上がった会となりましたよ。
それにしても、大学の先生と大学生と高校生とを前にして数学にまつわる話をして、全員に楽しんでもらえるようにするって、かなりハードルが高いと思いませんか。年齢も、数学の知識も、関心事も違う方々なのですから! なかなチャレンジングなお仕事でした。準備のためにご尽力くださった関係者の方々、参加してくださった方々に感謝です。
人と関わるという話でいえば、2023年5月から新たに「結城浩の談話室」を始めました。これはZoomを使って結城と二人でおしゃべりしましょうというネット企画です。現在までに10回以上実施しています。Zoomは使っていますが、ビデオはオフのまま。つまり電話のような使い方ですね。題材は特に決めておらず、相手の方が話したい内容を話し、結城がそれをお聞きしてあとは自由なおしゃべりをするイメージです。時間は一時間です。現在は予定がいっぱいになっているので申し込みを一時中断していますが、「結城浩の談話室通信」というニュースレターで申し込み開始をアナウンスしています。
もちろん、あなたが読んでいるこの「結城浩のメール日記」も人との関わりといえますね。「最近の私はこんなことを考えています。あなたはいかがですか」という形で文章を書くのは楽しいものです。自分自身とは24時間いっしょにいるので、自分が考えていることや、自分がやっていることは知っているはずですけれど、伝えるために改めて文章にすると、意識や記憶がリフレッシュされる感覚があります。そしてまた自分が考えていることや、自分がやっていることの「意味」についても別の視点から見るよい機会となりますね。
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このメール日記、これからはもう少しだけ頻度を上げたいと思っています。さすがに半年に一回で「日記」とはいえませんからね。といいつつ、次回が「2023年末のごあいさつ」になってしまったら笑ってやってください。
あなたはいかがお過ごしですか。
それでは、また。
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