こんにちは、結城浩です。
いかがお過ごしですか。
今日は、先日結城が行った講演のことをお話ししようと思います。そういえば前回のメールは大学で講演を行ったお知らせでしたね。2023年は大変めずらしく年に二回も講演を行ったことになります。
今回はミッション系の女子校(玉川聖学院さん)での講演でした。いつもの私のパターンですと、一クラスか二クラスほどの人数を相手に「特別授業」としてお話をするのですけれど、今回は全校生徒、しかも中学部・高等部合わせて900名ほどの生徒さんと50名ほどの先生方を前にお話ししました。
講演は「『数学ガール』を書きながら」というタイトルで、私の執筆生活について、中学・高校・大学時代のこと、それから信仰生活と執筆の関係などについて話しました。学校からは信仰のことについても存分に語ってくださいとの依頼があったので、それに合わせて用意したスライドを使い、およそ一時間ほどお話ししました。
話が終わると質疑応答の時間。先生方も驚くほどたくさんの生徒さんから質問がありました。しかもその質問はいわゆる型通りのものではなく、たいへん率直で生徒さんの現在の心情に深く根ざしたものばかり。ふだんなら個人的なやりとりで現れてくるような質問が、全校生徒の前にも関わらず次々と私に投げられたことには不思議なものを感じました。
自分の進路を述べた上で、これからどうすればいいかという質問。
自分が好きになれないが、どうしたら好きになれるかという質問。
出会ったのがキリスト教でなかったら、どうなっていたかという質問。
どうして神さまが愛しておられるという確信が持てるのかという質問
などなど、次から次にたくさんの手が挙がり、担当の先生がマイクを持って講堂を走り回り、もちろん私も真剣に答えました。正解を与えるという態度ではなく、私が考えていること、私が信じていることをできるだけわかりやすく丁寧に話すという態度で臨みました。
先生によると、これほど多くの質問が矢継ぎ早に出たのは、生徒たちが結城の話をきちんと受け止め、いま聞いておきたい、聞いておかなければという気持ちが起こったからでしょうということでした。その意味では、その場で語ったのは私個人なのですけれど、放たれた言葉を神さまが清めてくださり、生徒たちの心を開くように働いてくださったのだと思います。神さまに感謝です。
その場に集った生徒さん一人一人が豊かな未来へ向かい、神さまの祝福のうちに歩み、神さまの御心のままに信仰と救いに導かれるようにと祈ります。
講演会の終わりには壇上で花束をいただきました。その後、小教室に移動して先生方や対話を希望する生徒さん十数名と交流会が行われ、そこでも引き続き楽しく対話を行うことができました。交流会ではさらに話は具体的になります。
物語のキャラクタとの付き合い方
どんなときに神さまから愛されていると感じるか
シリーズものの物語を書くときの注意点
感受性豊かに生きるために
ここには書きませんが、集まった生徒さんたちはそれぞれに自分の夢を語り、これからの自分の道を探りつつ進もうとしていました。彼女たちの心の中に将来への希望と不安が入り交じっているようすを改めて感じることができました。私が語る言葉が少しでも彼女たちのはげみになることを願います。生徒さんが持参してきた本やノートにいつもの「お化け坊や」のサインをして、たいへん喜ばれましたよ。
私が学校から帰るときはちょうど生徒さんたちの下校時間になっていて、みんなから口々に「ゆうきせんせー、さよならー!」と親しげにあいさつをいただきました。温かな交流に深く感謝した次第です。
以上、結城が先日行った講演会のようすをお伝えいたしました。
いつも私の話を聞いてくださり、ありがとうございます。
それでは、また。
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※ご注意:結城はしばしば講演のご依頼をいただきます。それはたいへん感謝なことですが、基本的にはすべてお断りしています。タイミングその他の諸条件がマッチしたときにのみ、非常にまれにお引き受けする場合があるという状態です。以上、念のために申し添えておきます。
これまでの講演の記録はこちらにあります。
講演集『数学ガールの誕生』
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追記:以下のリンク先に玉川聖学院広報部さんのTwitter(現X)への投稿があります。
◆玉川聖学院広報部さんの投稿