こんばんは、結城浩です。
夢のように時間が過ぎて、もう2023年も年末ですね。いまは晩ごはんを食べてゆっくりしているところです。あなたは、いかがお過ごしですか。
今年もたくさんの出来事がありましたが、こうやって静かな年末を迎えることができているのは本当に感謝なことです。
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今年上梓できたのは『数学ガールの秘密ノート/数を作ろう』一冊でした。「数を作る」というのは奇妙に聞こえるフレーズですね。数はもともと存在するものという印象があるので、わざわざ「作る」という表現にそぐわないからです。だからなおさら、そこにはわくわくする物語が生まれると感じます。私はこの「数を作る」(数学ではしばしば数の構成と表現します)というテーマがとても好きなのです。
今年の二冊目になるはずだった本は来年の2月刊行になります。今回の本は数学ガールに関連した本ではありません。『群論への第一歩』という数学入門書です。「集合」や「写像」からはじまって丁寧に学びを進め、群の「準同型定理」と呼ばれるところまでじっくりたどっていく本になります。
数学書は慣れないと読みにくいものです。大学での講義や指導する先生のガイドや補足説明があって初めて「ああ、なるほど、そういうふうに読むのか!」と学んでいく側面もあります。そこで私の『群論への第一歩』では、独学する人の助けになるように随所に「ちょっと一言」という補足説明を加えています。これで少しでも数学を学び始める(あるいは数学に再挑戦する)お役に立てたらいいなと思っています。
『群論への第一歩』は結城の62冊目の本となります。そして2023年は結城が最初の本を刊行してから30年目でした。小さな歩みではありますが、本を書く仕事を継続することができているのは、本当に読者さんの応援あってのことだと思います。
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2023年は、本を書く以外の取り組みとして新しく「結城浩の談話室」というネット企画を始めました。これはビデオをオフにしたZoomを使い(つまり音声だけを使って)私と二人で自由におしゃべりしましょうというネット企画です。
いつも一人で家にこもって書き物をしているので、頭や心が凝り固まらないようにと始めた取り組みです。これまでに30人ほどの人と会話することができました。バックグラウンドがまったく異なる方々と会話するのは楽しくもあり、たくさんの学ぶことがあり、なかなかいいものですね。来年もまた継続していきたいと思います。
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2024年は、これまで通り毎週火曜日のメールマガジンと毎週金曜日のWeb連載を継続していく予定です。もちろん新しい本も書いていきますよ! 2024年には、少し大きめの仕事に取り組む予定があります。
しかしながら、どんな一年も毎日の積み重ねです。いつも喜び、たえず祈り、すべてのことに感謝する日々を積み重ねていきたいと思っています。
人間には未来を見通す力はありません。ですから2024年にどんなことが待っているかはわかりません。しかし、この天地万物をお造りになり、いまここにこの小さき者を住まわせてくださる恵み深い神さまに信頼して歩んでいきましょう。
2023年は、あなたにとってどんな一年でしたか。
あなたの新しい年が、祝福に満ちたものとなりますように祈っています。
それでは良い年をお迎えください。
Webページのサムネール画像はmidjourneyを使って生成したものです。
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