集中するということ
こんにちは、結城浩です。
しばらくは毎日のようにメールが届きますが、そのうちに頻度は落ちると思います。たぶん。
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作業をしているときにはよく「集中」という表現が心に浮かびます。たとえば「集中して仕事をしよう」「どうも集中できない」「集中したいから一人になる」のように使う言葉です。
ところで「集中」ってどういう意味でしょうね。
改めて考えてみて気付くことがあります。それは「集中」という言葉をしばしば「がんばる」という意味で使ってしまうこと。「集中して仕事をしよう」というのを「がんばって仕事をしよう」という意味で使ってしまいがち。
あっと「誰か」の話ではなく、あくまで「私」の話ですよ。
でも実は「集中する」とは「がんばる」ことではなくて、「何か一つに絞る」や「広さを減らして深さに向かう」ということではないでしょうか。たとえばWeb連載に集中するというのは、Web連載に関わることだけを行い、他の仕事をしないということですよね。
だから「集中」は「制約」と親和性があります。「Web連載の仕事だけ」「一時間だけ」「今日だけ」「ここにいるときだけ」。そのような、しばしば「だけ」という言葉で表現される「制約」を設ける。そうすることで、広さは減り、少ないものに自分の力を注ぐことができる。それが「集中」なのでしょう。
一つのことだけを行うと品質が上がります。逆に、あれもこれもしなくちゃいけないとなると、どうしても「この一つにそんなに時間を掛けてられない」という気持ちが働き、浮き足だった気持ちへとつながってしまいます。それは品質低下をもたらすでしょう。それは困ります。
いまは、少なくともいまは、この作業だけに取り組もうと決める。そうすれば、じっくりと落ち着いて時間を掛けることができる。それが結果として、品質を上げる効果を生む。集中は品質を生む。制約は品質を生む。
集中。いまの時間はこれだけを行おう。
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今日の私は、そんなことを考えています。
今日のあなたは、どんなことを考えていますか。気が向いたらお返事をくださいね。お待ちしています。
午後は、子供部屋のクーラーを掃除することになっています。大事な掃除ですが、正直いってめんどうです。でも一定の時間を掛ければ終わる作業ですから、淡々と進めましょうかね。本来は夏が始まる前に掃除すべきだったのではないかと思いつつ。
それでは、また。