何か新しいことをやってみたいとき
こんばんは、結城浩です。
いかがお過ごしですか。
今日は木曜日なので、cakesのWeb連載「数学ガールの秘密ノート」第302回を書いていました。いちおう明朝の配信予約ができてほっとしているところです。
今シーズンは「読むための対話」というテーマで、数学がまだまだ苦手なノナちゃんと言う女の子が登場します。彼女は昨年末に新キャラとして登場し、その後『数学ガールの秘密ノート/学ぶための対話』で書籍にも登場しました。
今回、そのノナちゃんがWeb連載に再登場となりました。いまのところはゆるゆるとしたスタートです。これからどんな方向に進むのでしょう。彼女はどんな動きをしてくれるのでしょうか。私も楽しみです。
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先日「結城浩ミニ文庫」のように、DRMなしのPDFに自分の書いたものをまとめるという話題をお話ししました。よくあることなのですが「作業が進まない」という話題を文章にすると、それについていろいろ考え始めて思わず作業が進展しちゃう場合があります。
実は昨日も、この「結城浩のサブスタック」を「結城浩ミニ文庫」の形式にまとめる実験をやっていました。具体的には、Ulyssesを使ってepubファイルを作るだけですけれど、なかなか楽しい作業でしたね。
epubファイルを作って何が楽しいかというと、単純に「本を作る」作業が楽しいのでしょう。私がメインで書いている「数学ガールの秘密ノート」シリーズは本になりますが、一冊作るのに何ヶ月もかかります。それに比べると、規模は小さく長さも短いのですが、わずかな時間で一冊の「本」がまとまるのはやはり愉快なものです。
さくっと「本」(epubファイルやPDFファイル)が作れると、あんな本もこんな本も作りたい気持ちが湧いてきます。待てよ、なかなか腰が重くなっている新しい本も、そうやって細かく分けて書くことにすれば進むのかな。そんな幻想を抱きたくなります。
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短い文章をまとめて一冊の電子書籍にまとめるのは難しいことではありません。いま手元にファイルがあるなら、さっとできちゃいます。しかしながら、それでまとまるのはあくまで電子書籍としての体裁であって、その内容が繰り返し読むに耐えるかというと……うーん、どうでしょう。繰り返しに耐える本にするためには、やはり長い時間が必要になってしまうでしょうね。
きっとそこでも《読者のことを考える》原則が生きてくるのでしょう。形式が整っていて、ぽんと手元に入るなら、それは読みやすいしうれしいこと。それは確かです。でもそれを読んでおもしろいと思うかはやはり中身の問題となります。
読者の期待度とミスマッチが起きてしまうと、特によろしくありません。Webで読むときの期待度と、まがりなりにも「本」として読むときの期待度に大きなずれがあるとまずいという意味です。
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自分は何をうにゃうにゃと考えているんでしょう。心を少し探ってみますと、根底には「何か新しいことをやってみたい」という気持ちがあるようです。でもまだ何をどうしたいのかわかっていません。なのでうにゃうにゃと考える。うまいとっかかりが見つからないかと文章を書く。そんな状況なのですね。単純に、現在やるべきいろんなお仕事からの逃避行動なのかもしれませんが。
こういうときは「小さなWebサイト」を作りたくなるんですよね、私は……
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今日の私は、こんなことを考えています。実はもっといろいろ考えているのですが、あまりにも長くなってしまったので、このへんで。
今日のあなたは、どんなことを考えていますか。
もしも「何か新しいことやってみたい」という気持ちがあるとき、あなたならどんな行動を取りますか。とりあえず何かやってみるか、まずは資料を読んだり調査したりするか、あるいは他の人が何をやっているかを眺めてみるか……どうでしょうね。
それでは、また。
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そうそう、先ほど書いた「結城浩のサブスタック」を「結城浩ミニ文庫」の形式にまとめる実験はこちらでやっています。epub形式のファイルを無料でダウンロードできますのでよろしければごらんください。
「結城浩のサブスタック」を無料の電子書籍にしてみました。|結城浩https://mm.hyuki.net/n/ndd1cd67296c3