時間のスケールと視野のこと
こんにちは、結城浩です。
昨日の日曜日はのんびり過ごしました。のんびり過ごしたというか、たっぷりお昼寝をしたというか。
今日は月曜日なので、明日配信の結城メルマガを書いていました。つい先ほど書き終え、配信予約もできて一息入れているところ。
あなたは、いかがお過ごしですか。
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先日のメールで飯間浩明さんの『辞書を編む』と、三浦しをんさんの『舟を編む』を紹介しましたが、実は『舟を編む』は未読なのでした。結城は映画で『舟を編む』を観て、アマゾンプライムビデオでアニメの『舟を編む』は観ましたけれど、原作小説は未読。
メールを送ってから原作を読みたくなってKindleで購入しました。夜中になってから「本をいますぐに読みたい」というときに電子書籍は便利ですね。書店に出かけなくても、開店を待たなくてもすぐに読み始められるからです。三浦しをんさんのすっきりした文章は読んでいて心地よいですね。
電子書籍を読むとき、結城は通常iPhoneで読みます。映画の印象が強く残っているので、iPhoneでスワイプしながら映画のシーンを思い浮かべていました。主人公は松田龍平さん、ヒロインは宮﨑あおいさんでした。
辞書を作る仕事は想像するだに大変そう。「年」単位で時間が掛かる根気が必要な仕事だと思います。しかも、編纂者がどこに注力したのかわかりにくい、外部から評価されにくい仕事だとも思います。もっとも、専門性が高い仕事というのはおおむね同じかもしれませんけれど。
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結城は2020年2月頃から「結城浩の作業ログ」と称して、ひと月200円で自分の作業ログをWeb配信しています。作業ログとは、毎日の作業として何を行ったかを記録していくものです。
作業ログを書いていると、自分の作業に関して自覚的になります。作業の内容について頭を使うだけではなく「いま、自分は何をしているんだっけ」と自省的、俯瞰的になるという意味です。そしてそれはもちろん作業にも影響を与えます。
時刻の書き方ひとつをとっても意識が変わります。たとえば、07:28, 07:32, 07:58 のように「分」まで正確に書いていると、細かな時刻を意識するようになります。この作業に自分は26分掛かったぞ、という具合です。
分単位ではなく30分単位に記録してみると、また意識が変わります。たとえば、07:30, 08:00, 08:30 のようにすると、作業を大づかみにとらえるようになります。
さらに、07:00, 08:00, 12:00 のように「時」のみを書くと、細かい作業ではなく「この1時間は何をやったか」「2時間の成果物は」「ここでひとまとめしておこう」のように作業を俯瞰する意識が高まるようです。
どの単位で作業をとらえるのがベストか、というのはいちがいに言えません。結城の作業内容からすると「時」単位がしっくり来ます。自分の作業ログはRubyで書いたesappという自作ツールで記入しているのですが、作業時刻を自動的に「時」単位に丸めて記入するようにしてあります。
そうそう、明日配信の結城メルマガVol.445ではそのesappに関する話題、作品の構造を読み解く話題、算数を教える話題などを盛り込みました。毎月書いている「再発見の発想法」は、ディスクのミラーリングの話になりました。
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「分」単位の仕事、「時」単位の仕事、「日」単位の仕事……そして「年」単位の仕事。時間のスケールを変化させると、見えるものは大きく変化しそうです。
今日の私は、そんなことを考えています。
気が向いたときに、お返事をいただければ感謝です。私のメールに関係があることでもうれしいですし、関係がないことでもうれしいです。
今日のあなたは、どんなことを考えているんでしょう。
それでは、また。