すぐには着地しないグライダーのこと

こんばんは、結城浩です。

今日の晩ごはんはカレーでした。鶏肉カレー。いまは夕食を終えて、明日配信のWeb連載第301回の配信予約も済ませ、とてものんびりした気分のひとときです。

あなたは、いかがお過ごしですか。


作業ログを毎日書いています。毎日のように「作業ログは読み返すのが大切」と思います。作業ログを書くことで、一日を前へ前へと進めることができるのは確かです。でも、それだけじゃもったいない。こまめに読み返すことが大切だと思うのです。

読み返すたびに、忘れていたことや、やりかけたことや、やったことを振り返ることになります。何でもいいけれど、自分の一日の活動をこまめに振り返ることになるのは気持ちがいいものです。

気持ちがいいのは、自分が無為に時間を過ごしたのではないと感じるからでしょうか。それとも、無為に過ごした時間があったとしても、それぞれの時間にはそれぞれの判断があったのだと言えるからでしょうか。

もしも作業ログを書かなかったら、自分は今日何をしていたのかを記録しなかったら、無数のこまごましたことは忘れてしまいます。作業ログを書いていると、自分の生活の解像度が少しだけアップするように思います。


ここまで書いてきて、何かが引っかかりました。

何が引っかかるんだろう。

私はしばし腕組みをして考えます。いま上に書いた文章というのは、私が毎週発行している「結城メルマガ」に書いてあってもおかしくない文章だと思います。内容についても、表現についても。だったら「結城メルマガ」に書けばいい。どうして、わざわざ新しく始めた「結城浩のサブスタック」に書いているのでしょう。そんなことを思って私は腕組みをしているのです。

いつもと同じように書くんじゃなくて、もう一段深く考えて書かなくては。急がずに、急がずに。

私はもう少し自分の可能性を考えてみたいようです。自分が書く文章の内容についても、表現についても。つまり、いままで書いたことのないところまで地境を広げてみたいと思っています。

それは一種の「棚卸し」なんだろうなと思います。自分が何を持っているのか、自分の資産の棚卸し。読者さんがいて、新しいメディアがあって、書く時間を確保する。つまり、それはここ「結城浩のサブスタック」のことです。この上でじっくりと、いままで考えてこなかったところまで考える。私はそのような試みをしたいのかもしれません。

一つの比喩としては、すぐには着地しないグライダーです。

決まった長さ、決まった枠組みに文章を着地させない試み。いつもの文章はいつもの文章でいいのです。Web連載にせよ、結城メルマガにせよ。自分が作ってきた定型があり、パターンがある。そこに毎週の勉強やアイディアを乗せていく。それはそれで何も問題はありません。

でも、それだけではまずいのではないか。

新しい何かを開拓したい。自分の中にある未開の地を探索したい。解かれていない謎を見つけ、あわよくばそれを解き明かしたい。別次元のおもしろさを生み出してみたい。そんなことを考えているようです。

いま、ここに着地させるな。もう少し先まで飛べ。

といっても、「結城浩のサブスタック」で、いきなり何かとっぴなことを始めるわけではありません。しばらくはぐるぐると繰り言を書くだけかもしれません。ただし、何かに役立つノウハウを書くわけでもないし、コツを書くわけでもない。そうではなくて、何かを探したいのです。

これは予感ですが、もう少しこの「結城浩のサブスタック」が進んだ後は、Webでの公開は限定的なものになる(する)かもしれませんね。さらにいうなら「結城浩のサブスタック」自体をSubstackからどこかもっと軽量なところに移すかもしれません。つまりは、メールだけにしちゃうかもという意味です。


私はいつも「残された時間」のことを考えています。残された時間について考えるというのは、後悔をしたくないという気持ちに関係しているのかもしれませんし、あるいはまた両親が数年前に亡くなっていまはもういないということに関係しているのかもしれません。これについてはまたいつか書きましょう。

自分に託された時間で、私は何をするのか。残された時間で、何を考え、何を書くのか。どう生きるのか。そのように考えることがよくあります。その中で「何を、どのように書くか」というのは私にとって重要な意味を持つ問いです。

先日から始めた「結城浩のサブスタック」は「私がふだん考えてることを、あなたにメールで送ります」という企画です。それだけといえば、それだけなのですが、私にとっては想像以上に重要な意味を持つものになりそうです。

まあ、まだよくわかっていないというのが正直なところですけれど。

今日のメールはややウェットな感触があります。書く時刻にも意味がありそうですね。夜ではなくて昼間に書くと違う手触りがするメールになるのかな。


今日は、こんなことを考えました。

あなたは、どんなことを考えていますか。

もしもよければ、このメールに返信してください。私が書いたメールとは無関係に、あなたのことを書いてくださっても、もちろんかまいません。私からの返信はお約束できませんけれど、ていねいに読ませていただきます。

これからお皿を洗います。今晩はカレーだったので、洗うのはちょっと大変かな。

それでは、また。